誉田哲也作 『背中の蜘蛛』感想
マイルキンです。
今回は誉田哲也(ほんだてつや)作 『背中の蜘蛛』の感想です。
ジャンルはミステリーを含んだ警察小説。
本作を読了してから知りましたが、著者の代表作は『ストロベリーナイト』で、ジャンルは同じくミステリーを含んだ警察小説だそうです。
警察小説を滅多に読まない私。
表紙とタイトルに惹かれ、読み進めて行きました・・・
本作は主人公が4人いて、とにかく物語の視点が変わる!変わる!
池袋署刑事課長であり、50代のベテラン刑事の本宮(もとみや・メイン主人公)
警視庁組織犯罪対策部の30代若手刑事の植木
本宮の後輩でつい最近FBIの海外研修から帰って来た40代のサイバー刑事の上山
中盤で突拍子なく登場した年齢不詳の謎の男、オサム
この4人の視点で物語が進み、真相が明らかになります。
それぞれの主人公の視点で”ドラマ”があり、登場人物の動かし方が上手いと思いました。
本宮は東京・池袋の刺殺事件の真相を追い、奮闘。犯人を特定する。
植木は麻薬の売人の捜査中、東京・新木場の爆発事件に巻き込まれる。
上山は独自のIT技術である”スパイダー”使い、二つの事件をサポート。
オサムは偶然出会った複雑な家庭環境の前原姉弟と交流。
オサムの話、全く関係なくね?と思うかもしれません(私も最初そうでした)。
繋がるんです、最終的に伏線が回収されて真相に繋がるんですよ!
警察専門用語は逐一解説してくれるので、読みやすいです。
私はオサムの何気ない日常の物語がお気に入りで、前原姉弟との交流が面白く笑えました。
こんな日常がずっと続いたらいいのに・・・
最後になりますが、読了した時に感じたのは本作で登場する事柄に対する複雑な気持ち。
確かにこれがあるからこそ犯罪を防ぐことが出来るし、犯人を特定出来る。
しかし・・・ これがきっかけで不幸になった人間がいたことを忘れてはいけない。
以上です。
今回はここまで、それではー