mairukinのブログ

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ネタバレ注意 グルメ漫画 忘却のサチコ 1巻レビュー 

こんばんは、マイルキンです。

 

今回はグルメ漫画、忘却のサチコ1巻のレビューをします。

 

がっつり物語の内容が含まれているので、ネタバレ注意です。

 

 

 

1話 開戦のサバ味噌

 

冒頭から主人公佐々木幸子と俊吾の結婚披露宴が始まります。

俊吾とは旅先で出会い、2年交際して結婚。順風満帆な人生ですね。

サチコは文芸誌編集者。仕事は真面目にこなし、同僚、上司からの評価も良い。

 

お色直しで席を外すサチコ。綺麗な袴を着て席に戻ったのに・・・

 

 

俊吾の姿が見当たらない。いなくなってから1時間経っているらしい。

新郎がいないにもかかわらず、段取りが大切だと思うサチコは挨拶を開始する。

すると、途中から小さな子供が乱入。サチコに手紙を渡す。

 

どうやら俊吾が書いた手紙らしい。サチコが中身を確認する。

 

「幸子、すまない。」

 

以上です。

 

 

 

以上!?ドッキリでもサプライズでもなく、シンプルに俊吾は突然結婚披露宴から姿を消した・・・

 

サチコ母はあまりのショックで気絶。そりゃそうだ。

当人のサチコはというと、あまりにも唐突過ぎてまだダメージを受けていない様子。

 

サチコ「こういうの・・・人は悲劇と呼ぶのだろうかーーー」

悲劇です!!

 

翌日から早速仕事に取り掛かるサチコ。メンタル強すぎ。

しかし、編集長に提出した資料には「俊吾様」と書いた付箋をガッチリホッチキスで貼り付けていた・・・ あれ?

 

表情は変わらないサチコだが、街中を歩いていると突然立ちくらみが。

 

会社の入館許可書を見て、俊吾とのなれ初めや思い出を思い出す。

表情は硬いけど楽しそうなサチコが印象的です。

 

やはり昨日の出来事でダメージをかなり受けているとわかります。

それはたまたま通りかかったおばあさんに心配されて介抱されるほど。

 

おばあさんに介抱されて、泣き出すサチコ。

子供のようにわんわん泣き、周囲の人から白い眼差しが。

これ、絶対ツイッターに晒されるやつ。

 

サチコ「俊吾さんのこと・・・こんなに好きだったなんて・・・」

 

気持ちが収まり、気晴らしに食堂にやって来たサチコ。

周囲の従業員、ポスターに写った人間の顔、招き猫の猫の顔がみんな俊吾の顔に見えてくる幻覚が・・・ やべえ。

 

「このままでは仕事に支障をきたしてしまう。」サチコはそう思っていると

 

「はい、お待ち。サバの味噌煮定食です。」従業員の声が。

 

ジャガイモと玉ねぎの味噌汁、おしんこ、白ごはん、サバの味噌煮のセット。

いかにも下町の定食屋って感じが出ていてベネ。

 

いただきますと手を合わせ、サバの味噌煮を食べるサチコ。

サチコ「サバ味噌って・・・こんなにおいしかったかしら・・・?」

 

ここから、深夜に読んではいけない飯テロシーンが。

食レポ出来んじゃね?というくらい的確なサチコの感想。

 

生姜の効いた味噌ダレが白ごはんによく合い、サバとごはんの反復作業が・・・止まらない(サチコの感想。彦〇呂か!!)

 

そして、サバ味噌とごはんを上手にまとめてくれている味噌汁。

 

同じ味噌を使った料理でも、コッテリのサバ味噌とアッサリの味噌汁がお互いの長所を引き出してうまく調和している!!

 

どんどん食べ進めていくサチコ。

 

「ビバ日本!!!」

「ごはんいってサバ!!」

「サバいってごはん!!」

「ごはん、ごはん、味噌汁!!」

「たまにおしんこ・・・」

「またごはん・・・」

 

止まらない箸。

 

すると、ついに・・・

 

 

この漫画のテーマである忘却の境地が。悟りを開いたサチコ。それはまるで穏やかな表情の仏様のようだった・・・

 

「今・・・私・・・俊吾さんのこと忘れてた・・・・・・?」

 

「美味しかったサバ味噌定食を食べた時、俊吾の事を忘れられた」と後輩橋本に話すサチコ。

 

橋本は「きっとおいしいもの食べればいいんですよ」と適当に相槌を打つ。

 

 

サチコはひらめく。美味しいものを食べ続ければ俊吾の事を忘れられる!

 

 

そしてサチコは動き出す。

「俊吾を忘れる」ために美食道の道に足を踏み入れた!!

だがこの時、サチコはまだ知らなかったーーー

忘却の美食道の真の険しさを!!

 

途中ページにサチコの初期設定資料が掲載されています。

 

佐々木幸子

1985年12月24日生まれ

29歳

身長162cm

 

※忘却のサチコが連載が始まったのは2014年です。サチコの設定が事細かに記されています。

 

 

 

2話 全力!トルコライス〈長崎〉

 

朝、サチコ母が登場。

「コっちゃーん!朝ごはんできてるわよー!!」

サチコは母にコっちゃんと呼ばれているようだ。

 

反応がない。

 

結婚披露宴の事が原因で心中を図っているのではないかと疑うサチコ母。

 

サチコの部屋のドアを開けると、なんと・・・

 

チンチンチーン チンチンチーン

 

俊吾の写真を仏壇に置いてまるで俊吾が死んだ人のように鈴棒でお鈴を叩くサチコ。

このシーンは一番笑ったシーンでもあり、読み切りでこのシーンを見て忘却のサチコを集めたきっかけになります。

 

サチコ「これは心の仏壇ですから。」

娘の奇行に引く母。

しかし、サチコに合わせて母も鈴棒でお鈴を叩いていた。

 

シャワーを浴び身支度をするサチコ。

シャワー中にお風呂洗剤を掛け掃除をする、スーツを曜日ごと、冠婚葬祭用にきっちり分けている様子を見るとすごい几帳面だとわかる・・・

 

場所が変わり、文芸編集部 月刊文芸誌「きらら」

 

仕事をテキパキこなし、ランチタイム。

昨日行った定食屋で再びサバの味噌煮定食を注文。

 

忘却の境地は・・・・・・訪れず。落ち込むサチコ。

どうやら、1度食べてしまったものは二度と忘却出来ないらしい。

 

午後からは作家、美酒乱(みしゅらん)先生と新作小説の打ち合わせ。

長崎の軍艦島がモデルの小説で、「一緒に軍艦島に取材へ行こう!」とサチコを誘う美酒乱。

 

サチコはスルー。

サチコ「私1人で行ってきますので。」

長崎出張が始まった。

 

軍艦島に到着すると、また俊吾の事を思い出す。

仕事に集中し、軍艦島の写真を撮っていく。

 

資料収集が終わり、東京へ帰ろうかと思った瞬間・・・

 

プイ~ン 良い匂いが。

 

長崎名物角煮まんじゅう、300円。

 

食べてみる。

サチコ「ほほぉー・・・歩き疲れた体に甘さがしみわたる!!」

 

食べながら歩いていると、近くにいたカップルが

「この石垣の中に1つだけ、ハート型の石があるらしいよ。」

 

それを聞いたサチコはなぜか河川敷の石垣をじっくり見てハート型の石を探す。

石垣の石全体が俊吾の顔になる幻覚が。重症です。

 

1時間後ようやく発見。

「私・・・長崎まで来て・・・何やってるんだろう・・・」

 

美酒乱先生からメールが。

「長崎に着いたら是非トルコライスを食べてみて」

 

店に向かうサチコ。

トルコライスはどんなものなのか?

 

トルコライスを注文している客を見るとすごいガッツリ料理!!

 

お腹を空かせた状態で食べたいと思ったサチコは店を出直す。

 

 

走り出す!!お腹を空かせるためにサチコは必死に走り出す。

偶然通りかかった部活の中学生たちと一緒に走るくらいガチ。

 

 

お腹を空かせたサチコ。再来店しトルコライスを注文。

「んーーーー!!」

「これですよ これ!!」

「欲してたのだ・・・」

「疲れきった私の体は・・・」

「まさしく・・・」

 

「部活上がりの中学生のそれですよ!!」

 

 

忘却の境地が訪れた。

中学生時代の走り込みを背景にサチコは俊吾を忘れることが出来た。

 

 

 

3話 健さんの出所メシ

 

姫村先生の原稿が完成するまで正座して待つサチコ。

 

姫村は80枚の原稿を明日の14時までに完成させなければいけない。

姫村「原稿が完成するまで、外で時間をつぶしてきてくれ。」

 

しかしサチコは「姫村先生の原稿が完成するまで私は休むわけにはいかない。」の1点張り。

 

姫村は仕方なく納戸へサチコを誘導し、そこで待機してもらうことに。

サチコ、その時もやはり正座。

 

納戸は暗い。続く沈黙。

サチコ「刑務所って・・・ こんな気持ちなのかしら・・・」

   「刑務所・・・」

   「!?」

 

何か思い出すサチコ

 

「刑務所といえば映画『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』の冒頭シーン!!」

 

映画『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』は1977年に公開された故高倉健主演、山田洋二監督によるロードムービー。私はこの漫画で知りました。

 

島勇作(高倉健)が刑期を終え、シャバに出て久しぶりに定食屋に入り、ビール、かつ丼、醤油ラーメンを食べるシーン。

 

サチコはどうやら長期間沈黙したまま、正座して待機していた状況がこの映画のシーンと重なったようだ。

 

「私も食べてみたい・・・ 出所後のアレ(ビール、かつ丼、醤油ラーメン)を!!」

 

待機途中、姫村に「かつ丼を出前で頼みませんか?」と誘われるが断り

今までサチコがやってしまった小さな罪(しょうもないことばっかww)を反省していく。

 

そして、人生のつらいこと・・・

俊吾さん・・・

やはりきたか。

 

涙を流すサチコ。その様子を見た姫村はやる気スイッチON。

見事翌朝に原稿を完成させた。

 

姫村はサチコが自分のために涙を流してくれたのだと勘違い。

サチコにお礼を言うが、肝心のサチコは

 

「ふぅーーーっ」

「シャバの空気はうまいですね・・・」

 

この時のサチコの顔ww

 

ようやくシャバに出てきたサチコ。

なんとなく映画に出てきた定食屋に似ている店に入った。

 

まずはビールを注文。

ビール!ビール!

 

「出所後のノドの渇きを、潤し・・・かみしめるように、飲む!!」

 

早速飯テロです。

 

かつ丼と醤油ラーメンを注文し、同時に来る。

かつ丼と醤油ラーメン、ビールの同時食い!!

 

 

がつがつ ズズズズー ゴキュゴキュ

 

「私・・・ 私、今・・・」

 

 

 

忘却の境地が訪れた。サチコの顔は島勇作(高倉健)が久しぶりにシャバでメシを食べた時の表情になっていた・・・

 

まさに原作再現ですね!!!

 

 

忘却を終えたサチコは会社に戻り、完成した姫村の原稿を編集長に提出する。

 

ビールを飲んで、酔った状態のサチコ。

編集長を俊吾と間違えたり、語尾の最後が「〇〇であります! 〇〇でありました!」と言うなど、他の社員を困惑させるのだった。

 

この時のサチコは可愛いです。ケ〇ロ軍曹みたい。

 

 

4話 決戦!わんこそば・前編<盛岡>

 

社内で完成した姫村先生の小説「償いザムライ」を正座しながら眺めるサチコ。

すると、後輩である橋本から相談が。

 

※橋本は1話にも登場した後輩キャラ。ミーハーで恋バナ好きな女性です。

本作のテーマ、忘却の境地をサチコが思いつくきっかけになりました。

 

 

家に携帯を忘れてしまった橋本は以前美酒乱先生と打ち合わせした店の場所と連絡先を知りたいのだという。

 

手帳を持たない後輩にサチコは先輩として忠告する。

 

サチコ

「システム手帳はお持ちですか?」

「携帯電話のほかにもシステム手帳に手書きで書き残しておくといざという時安心かと思います。」

「さらに心配なら手帳を3つ持つとよいでしょう。」

 

3つは・・・多いかな? でも手帳は1つは必要ですよね。

 

偉そうに説教したと頭を下げながら、謝るサチコ。

 

橋本「い・・・いいんですよ、先輩の言うことありがたいんですから。」

 

良い先輩ですね・・・

 

サチコはスマホの電話帳から店の電話番号を調べる。

店の名前は「しゃかりきコロンブス

 

しゃ・・・

しゃ・・・

しゅ・・・

しゅ・・・

 

何と、しゃかりきコロンブスの連絡先の下に俊吾の携帯番号が。

これは・・・まずい(汗)

 

 

サチコは思い出す。スマホデビューした時の思い出を・・・

 

 

 

サチコと俊吾の思い出(出た!!)

 

それはサチコがガラケースマホに乗り換えたときの話。

サチコのガラケースマホに変えるため携帯ショップにやって来たサチコと俊吾。

 

偶然行っていた割引サービス、恋人割引。

 

サチコ「こ・・・ 恋人なのですか・・・ 私たちは・・・?」

俊吾 「なに言ってるんですか・・・ 僕らはもう恋人じゃないか・・・」

   「サチコさん・・・」

サチコ「恋人・・・ なのですね・・・ 私たち・・・」

 

その後、サチコと俊吾は恋人割引に加入しスマホデビューした。

 

 

このことを思い出し硬直するサチコ。しばらくして動き出す。

サチコ「恋人割、解約し忘れていました!!」

 

突然の発言に橋本は困惑。橋本は店の場所を聞いただけなのに。

 

 

ズーーーン

サチコ、またやってしまった・・

サチコ「まだ・・・ 忘れられないなんて・・・」

会社の屋上で悩むサチコ。

 

 

屋上で同僚の小野寺と木下が話している。

小野寺「わんこそば、俺、100杯食ったの。」

木下 「す、すごいね、100杯も・・・?」

小野寺「もう苦しくて苦しくて、何も考えられないくらい、おなかいっぱいになったけどね。」

 

何も・・・ 考えられない!? ピンと来たサチコ。

 サチコ、詳しく話を聞く。

 

翌日、急きょ有給を取り岩手の盛岡のわんこそば店へ向かう。

新幹線内でグルメ雑誌のわんこそば記事を読みながらイメトレ。

 

記事に特集が組まれていた、給仕(きゅうじ わんこそばを配る人)の山田(仮名 中年女性でベテランの風格がある)

サチコは山田にわんこそばを配られてそれを食べ続けるという妄想開始。

 

「ジャンジャン(給仕がおかわりのわんこそばを配る時に言う)」

そばを食べたら、はい次、そばを食べたらはい次と、息をつく間もなく・・・

 

1対1の真剣勝負!!

それはまるで巌流島(がんりゅうじま)の武蔵と小次郎のような!!

 

サチコ(小次郎)と山田(武蔵)が戦っているシーン(注:あくまで妄想です)が印象的。

サチコの脳内を見てみたい。どうなっているのかな?

 

現地に到着。店に入り、わんこそば開始。

「お待だせしやんした~ それでははじめでいぎますね~」

若い女性の給仕が。

 

あれ?ムサシ・・・?味は美味しいが、1対1ではなく給仕が複数人の客に対応、ジャンジャンがすぐに来ない・・・

 

そばつゆが入った器をじっと見るサチコ。

そばつゆの水面から俊吾の幻影が現れた!!

 

俊吾「ジャンジャン♡ ジャンジャンだよ サチコさん!!」

 

ちがーーーう!!!

 

器のふたを閉めるサチコ。ふたを閉めると終わることを意味する。

終了ですか?と尋ねる給仕。

 

サチコ「違う。」

   「これじゃ・・・ ぜんぜん、違うんです。」

 

後半に続く。

 

 

5話  決戦!わんこそば・後編<盛岡>

 

わんこそばの会計を終え、意気消沈のサチコ。

忘却の瞬間を味わいたかったのに、なぜ? わざわざ盛岡まで来たのに!

給仕に深々と頭を下げ、立ち去ろうとした。その時なんとその給仕の中に山田(仮名)に似た給仕が。

 

サチコ「本当に、実在した山田(仮名)!!」

店を出て再来店するサチコ。

「わんこそばセット・・・ 1つお願いします!!」

「それと、大変恐縮なお願いですが・・・」

「そちらの山田さんで、ご指名できますでしょうか?」

 

困惑する給仕たち。しかし山田(仮名)が快諾してくれて、再わんこそばスタート!!

 

サチコは確信する。

「申し訳ないが先ほどの娘さん(最初に対応した若い給仕)とは明らかに違う。」

「まさに本物の武芸者のよう・・・!!」

 

マンツーマンでしてくれることに期待したサチコだが、周囲に客がいるため付きっきりになってもらえない。

「二度も同じあやまちを・・・ なにやってんだ・・・私・・・」

 

周囲を確認すると、他のテーブルでわんこそばを食べ続ける男性がいた。彼の周りの客は既に満腹で、彼だけが食べ続けている。

 

サチコ「そういうことか!! このテーブルの中で最後まで食べ続けていれば・・・」

サチコは同テーブルの客の様子を観察する。いかにもよく食べそうな男たちが。

 

この猛者たちに勝たなくては山田(仮名)と直接対決できない。

ついに100杯目。サチコの胃袋は限界点に達している!

どうやらこの男たち、サチコの様子をうかがっている表情。

サチコ「この二人、完全に私と競い合っている・・・!?」

 

男子=負けず嫌い!!

 

再び俊吾との楽しい思い出はっじまっるよーー

自宅で格闘ゲームをして遊ぶサチコと俊吾。

サチコは俊吾に負けないために1か月間特訓してきた。

連戦連勝のサチコ。すると俊吾は

俊吾「仕事も遊びも、僕に対しても、すべて本気なところ・・・」

  「尊敬するよサチコさん。」

嬉しそうなサチコだった。

 

山田(仮名)「お客さん・・・大丈夫でらか?お客さん?」

気合が入るサチコ。

「お願いします!!」

段々テンポがよくなってきたように感じる。男たちはいつの間にかリタイア。

ようやく山田(仮名)との直接対決が!!

ジャンジャン出てくるわんこそば。

サチコ「く・・・苦しい・・・ あ・・・もう・・・」

 

 

ついに忘却の境地が。宮本武蔵佐々木小次郎の戦いが背景。

満腹で苦しいはずのサチコは満足そうな表情だった・・・

 

翌日、仕事をするサチコ。有給明けからさらに集中力が増している(by周りの社員)

サチコ「なぜだろう・・・ 首が・・・痛い・・・」

わんこそば180杯食べましたという証明札を職場の机に飾っている。

実は山田(仮名)に対して無意識に180回以上も丁寧なおじぎをくり返したサチコだった・・・

 

6話 飯ッション イン ポッシブル・前編

 

サチコの次に交渉する作家はジーニアス黒田先生。この先生はネットで書いた小説に火がつき、またたく間に大ヒット。ジャンルにとらわれない作品を生み出し、幅広く活躍している作家らしい。

 

サチコはジーニアス黒田に恋愛小説を書いてもらおうと電話で交渉を試みるが、電話に出ない。ジーニアス黒田の元担当曰く、人と接するのが苦手でやり取りはすべてメールで行うようだ。実際に顔を合わせたこともないみたい。

 

ジーニアス黒田が公表している自画像を見るサチコ。すごく俊吾の顔に似ている。サチコは思わず、「俊吾さん!?」と言ってしまうほど。

取り乱した心を落ち着けてジーニアス黒田にメールを送るサチコ。肝心のジーニアス黒田はというと・・・

 

ジーニアス黒田

「は? 誰お前・・・? 初見さん 帰ってよし(笑)wwwwwww」

 

メールでの門前払いをくらったサチコは直接会い、想いを伝えるしかないと決心してジーニアス黒田が住んでいる住所に向かう。

 

元担当が言っていたアドバイスを参考にして宅配業者に変装して(※犯罪です)インターホンを鳴らすサチコ。

 

即バレしてメールで煽られるサチコ。するとジーニアス黒田からこんなメールが。

「どうせなら「マニラ」(アニメ版)のコスプレしてきてよ!! そしたら少し考えちゃおっかなーーー・・・?」

 

サチコ、果たしてコスプレをするのか・・・?

 

 

やりました。なかなか似合っています。ジーニアス黒田とやり取りするも結局出てくれず。電信柱の後ろで隠れていると近隣の住民に不審者扱いされ、警察沙汰に。

 

数時間後、警察署から出てきたサチコは途方に暮れる。どうしよう・・・?フラフラジーニアス黒田の住居の周りを歩いていると良い匂いが。近づいていくと専業主婦が窓を開けたまま料理をしている。

 

あ・・・ こ・・・れならイケる!!

サチコは妙案を思いつく。

 

後半に続く

 

7話 飯ッション イン ポッシブル・後編

ある奇策を思いついたサチコ。どこかに向かって全力疾走!

一方自宅からその様子を見ていたジーニアス黒田。家の中は原稿、漫画、カップめんの残骸でもうぐちゃぐちゃ。まさにゴミ屋敷。

ジーニアス黒田

「な・・・ なんだよあいつ・・・ 急にダッシュって・・・ マジキモ・・・」

 

日が暮れてきた。ジーニアス黒田はネットで編集者を追い払ったと自慢する。

また、ネット民の反応がよかったのでサチコのコスプレ写真をネットにばら撒こうとする。

こういうの・・・やったらいくら漫画家でも炎上すると思います。

 

どうやってばら撒こうか考えるジーニアス黒田。すると開いた窓の外から良い匂いが・・・

ジーニアス黒田

「炊き立てのメシのにおい・・・? 香ばしく焼けた鮭とタラコと・・・ す・・・筋子? 鳥のから揚げも・・・? そこに味噌の香りが絡まったような・・・?」

 

まさか!?

 

ドアを開けるとサチコが4つのおにぎりと味噌汁(カップ入り)を置いてうちわでぱたぱたさせていた。これが良い匂いの正体!!

ネットで公表している自画像と全くイメージが違う人が現れた。

 

ジーニアス黒田

「どうせ、イメージと違うって思ってるんだろ。」

サチコ

「はい。全く違います!! 私が勝手にイメージしたジーニアス先生のお姿とは、大きく異なっただけ!!」

THE ど直球。

 

差し入れのおにぎり(東京都内で人気のおにぎり専門店、「ごんべ」のおにぎり)を渡すサチコ。

サチコは以前ジーニアス黒田が書いた短いエッセイにおにぎりが好きだと書いていたことを覚えていた。

尊敬する先生の作品を全て覚えているサチコ、恐るべし。

 

おにぎりをがつがつ食べるジーニアス黒田。すごくおいしそうに食べるもんだから腹の虫が鳴ったサチコ。おにぎりを渡すジーニアス黒田。

 

すると、恋愛漫画のような雰囲気に。

 

サチコ

ジーニアス先生・・・ ありがとうございます・・・」

「先生・・・ 私、先生にお願いが・・・」

「先生にはぜひ、恋愛ものを書いてほしいと思っているんです。」

 

ジーニアス黒田

「佐々木さん・・・ 実は僕もそう思っていたんです・・・」

 

サチコ

「先生も・・・? では・・・そうと決まればぜひすぐに!!」

 

ジーニアス黒田

「ああ書くさ。今すぐにでも書くさ・・・ 佐々木さん!!」

 

サチコは恋に落ちた・・・

 

 

 

というジーニアス黒田の妄想でした。

おにぎりを渡しただけで恋愛に発展するわけがないんだよなあ・・・

 

サチコ

「では先生、そういうことでぜひ・・・ 執筆のほう、何卒よろしくお願い申し上げます。」

 

何とか承諾してくれた。後日ジーニアス黒田は新作を発表。

タイトルは「三丁目のおにぎり」人情ものだった。

 

サチコ

「たしかにあの時、恋愛もの書いてくれるって約束したんですけど。 おかしいですね・・・」

 

 

8話 一気食い!! サンマ塩焼定食

 

サチコの同僚、小野寺。彼は「江戸村あけみ傑作選」の電子書籍化の進行がなかなか進まないでいた。

この作品の作者、江戸村先生の著作権継承者である孫が電子化に難色を示している為である。

 

一方サチコは外でランチ。サバ味噌定食(1話参照)を食べてから、外食にハマっている!昨日は栗ごはん、一昨日は戻りカツオを食べたようだ。

 

サチコ「さて、今日はどうしよう・・・?」

 

迷った結果、少しお高そうな和食店へ。

店内が一杯だったので、相席で食べることに・・・

サンマの塩焼定食を注文。

 

サチコ「脂がジュワっと広がって・・・ 」

   「これは・・・間違いなく・・・イケる」

 

食べ終わった後店員さんが、

「こんなにきれいに食べていただいてうれしいですよ。」

 

喜ぶサチコだが、店員さんが感心しているのはサチコと相席していた初老の男性の方だった。

サンマの中骨以外なにも残っていない綺麗な食べ方。サチコはちょっとした敗北感を感じた。結局余計な雑念が入ったため忘却の境地が訪れなかった。

 

私もあんな風に食べたい・・・!!

サチコの挑戦が始まった。翌日、また翌日とサンマの塩焼定食を注文し挑戦していく。

しかし、全然うまくいかず。何度も店に通ううちに、相席で食べた初老の男性が声を掛けてきた。

 

「どうやら秋刀魚をきれいに食べようと毎日、試みておられるようですが?」

「よかったら教えて差し上げましょうか?」

 

教えてもらうサチコ。

「まずは秋刀魚の背と腹を箸でほぐすように、全体的におさえます。」

「次にしっぽをちぎって・・・ 頭をつまみます。 そしたらゆっくり骨を引き出すだけです。」

 

言われた通りに実践するサチコ。綺麗に身だけを取り出せた。いざ、実食!

「中身がない分、肉厚な身が一気に!! なに!?このうまみ・・・」

「脂のジューシーさが何倍にも増している!!」

「今までと、同じサンマと思えない。 ああ・・・ いっそのこと・・・」

 

ついに忘却の境地が!背景は大量のサンマの山の上にいるペリカンとペンギン。ペリカンとペンギンは丸ごとサンマを食べている。サチコの食べ方が彼らの食べ方と似ているのでこんなイメージにしたんでしょうか・・・?

実にシュールです。

 

この初老の男性、実は江戸村あけみの孫。サチコのメシの顔に好感を抱き、サンマのキレイな食べ方を教えた。

これがきっかけで後日、小野寺に電子書籍化の件を了承したという連絡が入ったという。

サチコ、やはり侮れない女である・・・

 

 

1巻以上。2巻に続く。

 

いかがでしたか?1巻ということもあって約10000字という長文になってしまいました。

2巻からは出来るだけまとめてわかりやすく書いていこうと思います。

 

今回はここまで。それでは! 

 

 

 

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